福祉情報学部の概要と生涯スポーツ専攻が育てる人材像

「私立大学研究ブランディング事業」(文部科学省)受託を契機に

文部科学省 研究ブランディング事業は、特色ある研究を基軸に大学のブランド化を目指す大学を支援するものです。2017年度、徳山大学が当該事業に提出した

【健幸(ウェルネス)】研究プロジェクト

は、全国188の大学がそのアイデアを競うなか、60の採択プロジェクトの一つに選ばれました。山口県からは唯一の採択でした。

 幼児から高齢者まであらゆる世代の住民が生涯スポーツの実践によって「健康で幸せな生活」をめざし、一方で、介護を必要とする人々には「充実した生活・介護支援」が提供される安心・安全の街を【健幸(ウェルネス)】都市と呼びます。そのような街「しゅうなん」を実現するための研究拠点構築に向け、徳山大学はスタートを切りました。

【健幸(ウェルネス)】研究は、大別して ①「生涯スポーツ」研究と ②「福祉情報」研究という2つの分野の研究からなります。前者では、スポーツ科学の手法に基づき、⑴幼児~青年期の「健康・体力の増進」、及び、⑵中高齢者の体力増進と介護予防の促進、に資する研究を推進します。また後者は、⑴地域福祉コミュニティー形成による「福祉・生活支援の充実」をめざした実践研究、及び、⑵ICT活用による福祉サービスの高質化を目指す「福祉と情報の学際的研究」を推進します。

【生涯スポーツ専攻】従来の「健康福祉」専攻の名称を「生涯スポーツ」専攻と改めます。そして、研究ブランディング事業における「健幸(ウェルネス)」研究の成果、特に上記「生涯スポーツ」研究の成果を学生教育に還元すべく、そのカリキュラムに大きなメスを入れ、新たな改革を推進します。

 少子高齢化が進む現代社会は、要介護人口の増加という大きな課題を抱えています。その解決に向け、「医療」や「介護」の充実に加え、特に重要になるのが「介護予防」、すなわち介護が必要な状態になることの予防や要介護状態の軽減・悪化防止、の推進です。この専攻では「生涯スポーツ」を基軸にその役割を担う人材を育成します。正しい「スポーツ科学」の知見に基づき、対象者の年齢や生活環境・健康状態等それぞれの状況に合致した運動プログラムを企画し、実践指導していくノウハウを学びます。また、修得した指導法を地域の公民館や社会福祉事業所などの現場で実践しブラッシュアップしていく、アクティブラーニング型学習が反復・展開されます。

 しゅうなん地域の「健幸(ウェルネス)」の実現をめざす一連の研究教育活動の遂行を、広く地域社会が実感・共有する状況を実現し、「大学における学びへの信頼感」を高めていくことこそが、最終目標である「大学ブランドの獲得」に繋がるものと信じています。